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2025年3月25日

謝礼金に税金はかかる?税金・勘定科目・申告方法まとめ

「謝礼金を受け取ったけれど、これって税金はかかるの?」
講演会の謝礼やアンケートの謝礼など、思いがけず受け取った謝礼金。実はその謝礼金、所得として扱われる可能性があり、税金がかかるケースがあります。また、正しい税務処理や確定申告を行わないと、後から税務署から指摘されてしまう可能性も。
本記事では、謝礼金にかかる税金の種類や申告方法、源泉徴収の有無、勘定科目の選び方などをわかりやすく解説します。

謝礼金とは?基本を理解しよう

謝礼金の定義と特徴

謝礼金とは、特定の契約や業務委託による報酬ではなく、受け取った人の行為や協力に対して感謝の意を表して支払われる金銭や物品のことを指します。謝礼金は、企業や団体、個人から「協力してくれたことへのお礼」として支払われるケースが多く、法的な義務や労働契約が伴わないのが特徴です。

謝礼金が発生する具体例

謝礼金が支払われるケース
謝礼金が支払われるケース
  • 講演やセミナーの謝礼
  • イベント協力や出演の謝礼
  • アンケートや調査への協力に対する謝礼
  • 取材協力や執筆依頼の謝礼

謝礼金は契約がないことが前提ですが、支払い金額が大きくなると「報酬」として扱われることがあります。また、継続的に同じ内容の謝礼金を受け取っている場合も「事業所得」や「給与」とみなされる可能性があるため、受け取る頻度や金額には注意が必要です。

報酬や給与との違い

謝礼金は、報酬や給与と混同されやすいですが、根本的に異なる点がいくつかあります。

項目謝礼金報酬給与
契約の有無なしありあり
支払い義務任意ありあり
支払い頻度単発的単発的 or 継続継続的
源泉徴収必要な場合あり必要必要
社会保険・労働保険なし場合によりありあり
消費税基本的に非課税課税対象課税対象外(給与所得)

報酬との違い

報酬は、役務提供の対価として支払われるものであり、法的に契約に基づいて支払い義務が生じます。一方、謝礼金は、契約義務のない「お礼」の性質が強いため、法的拘束力がない点が異なります。

給与との違い

給与は、雇用契約に基づき、労働の対価として定期的に支払われるものであり、所得税や住民税、社会保険料が控除されます。謝礼金は、雇用契約に基づかず単発的な支払いとなるため、給与とは区別されます。ただし、謝礼金が継続的に支払われる場合や、高額になる場合には、給与として扱われることがあります。

謝礼金にかかる税金の種類

謝礼金が課税対象になるケース

謝礼金は「所得」とみなされることが多いため、課税対象になるケースが多く存在します。謝礼金が課税対象になるかどうかは、以下のような要素が影響します。

1. 継続性がある場合

例えば、毎月同じ企業から講演謝礼を受け取っている場合、謝礼金ではなく「報酬」や「給与」として扱われる可能性があります。

2. 対価性がある場合

例えば、セミナーやイベントの講師として正式に依頼を受けた場合や、記事執筆を依頼された場合などは、「報酬」として源泉徴収が必要になるケースがあります。

3. 高額な場合

謝礼金の金額が高額になると、単なる「感謝の気持ち」ではなく、労働や報酬の側面が強くなると判断され、課税対象になる可能性があります。

源泉徴収義務の有無と税率

謝礼金が報酬に該当する場合、支払う側に「源泉徴収義務」が発生します。国税庁のガイドラインによれば、以下の税率が適用されます。

例:講演料80万円の場合

例:講演料150万円の場合

源泉徴収された場合の注意点

100万円以下・100万円超で異なる税率

100万円を境に税率が異なるため、高額な謝礼金を受け取る場合には特に注意が必要です。

例1:講演料80万円の場合

例2:講演料150万円の場合

節税ポイント

謝礼金の税金処理と申告方法

個人で受け取った場合の申告方法

個人が謝礼金を受け取った場合、所得税住民税の対象になる可能性があります。謝礼金が労働や役務の提供に対する「報酬」に該当する場合や、一定の金額を超える場合には、確定申告を行う必要があります。

申告する際のポイント

雑所得としての記載例

確定申告書の「雑所得」欄に以下のように記載します:

区分収入金額必要経費所得金額
謝礼金100,000円10,000円90,000円

→ 所得金額90,000円に所得税が課税されます。

会社員が副業で受け取った場合の扱い

会社員が副業として謝礼金を受け取った場合も、税金の対象になります。

副業謝礼金の課税ポイント

副業の謝礼金が課税対象になるケース

住民税への影響

確定申告が必要になるケース

謝礼金に関して以下のケースに該当する場合は確定申告が必要です:

謝礼金に関する勘定科目の選び方

個人の場合:雑所得・事業所得の違い

謝礼金が雑所得事業所得かを判断する基準は、以下のとおりです:

区分説明
雑所得単発的な謝礼や報酬 → 継続性がない
事業所得継続的に受け取る謝礼や報酬 → 事業的要素が強い

法人の場合:交際費・手数料・広告宣伝費の分類

法人が支払う謝礼金の勘定科目は内容によって異なります。

内容勘定科目
取引先や顧客への謝礼交際費
講師料や取材協力費支払手数料
商品モニターや広告協力謝礼広告宣伝費

正しい仕訳と記帳方法

例:講師謝礼50,000円(消費税込み)を現金で支払った場合

例:広告協力に対する謝礼100,000円を銀行振込で支払った場合

謝礼金に消費税はかかる?ケース別に解説

謝礼金に消費税がかかるかどうかは、「対価性」があるかどうかが重要なポイントになります。対価性とは、金銭や物品が支払われる理由が「労働や役務の提供」に基づくものであるかどうかを指します。国税庁のガイドラインでは、謝礼金が報酬に該当する場合は消費税課税対象となると明記されていますが、単なる「お礼」としての性質が強い場合は消費税は非課税となります。

対価性がある場合の消費税課税条件

謝礼金に対価性があるとみなされるケースでは、消費税の課税対象になります。具体的には、以下のような場合に対価性があると判断されます:

【例】講演料10万円を受け取った場合

消費税が課税対象となる場合は、源泉徴収の計算とは別に消費税の処理を行う必要があります。

単なる「お礼」として扱われる場合の非課税条件

謝礼金が「対価性がない」と判断される場合、消費税の課税対象にはなりません。つまり、労働や役務の提供が伴わず、感謝や好意の気持ちとして支払われるケースです。具体的には以下のような場合に該当します

【例】イベントの参加謝礼3,000円を受け取った場合

謝礼金の領収書・記録の扱い方

領収書が必要になるケース

謝礼金を受け取った場合や支払った場合、領収書が必要になるケースがあります。以下のような場合には、必ず領収書を受け取るようにしましょう。

領収書がない場合の記録方法

領収書を受け取ることができなかった場合でも、以下のような記録を残しておくことで証拠として認められる可能性があります。

税務調査時に求められる証拠の準備

税務調査では、謝礼金に関する支払いや受領の記録が確認されることがあります。以下のような証拠を準備しておくことでスムーズに対応可能です。

税務調査時に不備があると、過少申告加算税延滞税が課される可能性があります。早めに記録を整備しておくことが重要です。

まとめ

謝礼金は、講演やイベントの出演、アンケート協力、原稿執筆など、労働や役務の提供に対する「報酬」的な側面を持つ場合と、単なる「お礼」として支払われる場合があります。謝礼金が報酬に該当すると、所得税や住民税の課税対象となるため、適切な税務処理が求められます。また、消費税に関しても「対価性」があるかどうかで課税・非課税が判断されるため、性質を正確に理解することが重要です。

税務処理においては、受け取った謝礼金が「雑所得」なのか「事業所得」なのかを見極め、正しい勘定科目で仕訳・記帳を行う必要があります。さらに、法人が謝礼金を支払う場合には、交際費や支払手数料、広告宣伝費などの勘定科目を正しく分類し、消費税の扱いを含めて正確に処理することが求められます。

また、税務調査や確定申告に備えて、謝礼金の受け渡しに関する領収書や振込記録、契約書などを適切に保存しておくことが重要です。領収書がない場合でも、振込記録やメールなどが証拠として認められるケースがあります。

本記事を参考にして、謝礼金の正しい税務処理や申告方法を理解し、トラブルを避けるための準備をしておきましょう。謝礼金を適切に管理・申告することで、節税効果が得られる場合もあります。知識を身につけて、安心して謝礼金を受け取れるようにしましょう。

2025年3月25日