法人ギフトの選び方とは?シーン別の相場・マナーから経理処理まで徹底解説

取引先へのお中元や周年祝い、社内表彰の景品など、会社としてギフトを贈る場面は少なくありません。「何をいくらで贈ればよいのか」「マナーや経理処理は問題ないか」と迷う総務・人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
法人ギフトは個人の贈り物と異なり、相手やシーンごとの相場・マナーに加えて、勘定科目や課税といった経理・税務面の配慮も求められます。
本記事では、法人ギフトを選ぶ際に抑えておくべきポイントを徹底解説します。
法人ギフトとは?企業が贈る目的と主な対象

はじめに、法人ギフトの基本を整理します。本章で解説するのは以下の2点です。
- 法人ギフトの定義と個人の贈り物との違い
- 贈る相手による3つの分類
法人ギフトの定義と個人の贈り物との違い
法人ギフトとは、企業が取引先や顧客、従業員などに贈るギフトの総称です。感謝の気持ちを伝え、信頼関係を築くためのコミュニケーション手段の一つとされています。
個人の贈り物との大きな違いは、会社の経費で購入する点にあります。そのため、品物選びやマナーだけでなく、勘定科目の判断や課税の有無といった経理処理まで含めて検討することが大切です。
贈る相手は大きく3つ:取引先・従業員・不特定多数の顧客
法人ギフトは、贈る相手によって大きく3つに分けられます。
| 贈る相手 | 主なシーン |
|---|---|
| 取引先・顧客 | お中元・お歳暮、周年祝い、訪問時の手土産 |
| 従業員 | 社内表彰、永年勤続、慶弔、社内イベントの景品 |
| 不特定多数の顧客 | 販促キャンペーンの景品、ノベルティ |
誰に贈るかによって、適切な相場もマナーも、経理上の勘定科目も変わります。まずは「誰に・何の目的で贈るのか」を整理することが、法人ギフト選びの出発点です。
法人ギフトのシーン別の相場の目安
法人ギフトの予算は、贈る相手との関係性やシーンによって幅があります。本章では以下の3つに分けて目安を紹介します。
| シーン | 相場の目安 |
|---|---|
| 取引先向け | 3,000〜30,000円程度(用途による) |
| 従業員向け | 3,000〜10,000円程度(表彰の場合) |
| 販促・キャンペーン向け | 数百〜数千円程度 |
※相場はあくまで一般的な目安であり、企業の規模や関係性により異なります。
取引先向け:お中元・お歳暮・周年祝い・手土産
お中元・お歳暮などの季節の挨拶は、3,000〜5,000円程度が一般的とされています。取引先の周年祝いや創立記念では、関係の深さに応じて5,000〜30,000円程度と幅があります。
高額すぎる品物は、かえって相手に負担を感じさせる場合があります。相手との関係性に見合った価格帯を選ぶことが大切です。
従業員向け:社内表彰・永年勤続・慶弔・イベント景品
社内表彰やイベント景品は、1人あたり3,000〜10,000円程度で設定する企業が多いようです。永年勤続表彰では、勤続年数に応じて金額に幅を持たせるケースが見られます。
従業員向けのギフトは、社内規程に基づいて公平に支給することが前提となります。この点は後述する給与課税の注意点にも関わるため、あわせてご確認ください。
販促・キャンペーン向け:ノベルティ・謝礼
不特定多数の顧客に配布するノベルティや景品は、宣伝目的の支出という位置づけになります。1個あたり数百〜数千円程度の、配布しやすい品物が選ばれる傾向にあります。
法人ギフトの種類と選び方のポイント

次に、ギフトの種類と選び方を整理します。本章で解説するのは以下の3点です。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 主な種類 | カタログギフト・商品券・デジタルギフト・品物の特徴比較 |
| 選び方の判断軸 | 相手・目的・予算・配りやすさの4点 |
| 発注実務チェックリスト | 法人ならではの確認事項 |
主な種類:カタログギフト・商品券・デジタルギフト・品物
法人ギフトの主な種類と特徴は以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 留意点 |
|---|---|---|
| カタログギフト | 受け取った側が好きな品を選べる | 価格帯がカタログで固定される |
| 商品券・ギフトカード | 金額が明確で、用途の自由度が高い | 従業員へ支給する場合は課税に注意 |
| デジタルギフト | 住所不要でメール等で贈れる | 相手の年齢層により受け取りやすさに差 |
| 菓子・品物 | 手土産や挨拶の定番で格式を示しやすい | 好みや賞味期限への配慮が必要 |
それぞれに利点と留意点があり、どれか一つが常に優れているわけではありません。贈る相手と目的に合わせて選ぶことが大切です。
なお、子どもがいる従業員への記念品など、ファミリー層向けの贈り物であれば、おもちゃや書籍などに使えるこども商品券のような選択肢もあります。
こども商品券の法人利用について相談する
選び方の判断軸:相手・目的・予算・配りやすさ
種類を絞り込む際は、次の4つの軸で検討すると判断しやすくなります。
- 相手:好みが分かる相手か。分からない場合は選べる形式が無難
- 目的:格式を重んじる場面か、実用性を重視する場面か
- 予算:複数人に贈る場合は金額の公平性を保てるか
- 配りやすさ:個包装か、大量手配や配送がしやすいか
法人発注で確認したい実務チェックリスト
法人ギフトの手配では、品物選びと並んで発注実務の確認も重要です。発注前に以下を確認しておくと、手戻りを防げます。
- 先方が贈答品を受け取れるか(贈答辞退のポリシーがないか)
- 見積書・請求書払いに対応しているか
- のし・名入れに対応しているか
- 必要数量と納期に間に合うか
- 請求書・領収書の宛名を正しく指定できるか
商品券類をまとめて手配する場合は、発行元による法人対応の有無も確認ポイントです。
法人ギフトのマナー|のし・渡し方の基本
法人ギフトでは、包装やのしの丁寧さが会社の印象につながることもあります。本章で解説するのは以下の2点です。
- 避けたほうがよいとされる品物・贈り方
- のしの表書きと名入れの基本
のしの表書きと名入れの基本
取引先への贈答など公式な場面では、のしを付けるのが丁寧とされています。一般的な御礼や季節の挨拶には、紅白蝶結びの水引を用いるのが通例です。
表書きは「御中元」「御歳暮」「御祝」など、目的に応じて記載します。名入れは会社名と代表者名を記すのが基本とされ、担当者名を添える場合もあります。
手渡しの場合は包装の上からのしを掛ける「外のし」、配送の場合はのしの汚損を防ぐ「内のし」が選ばれることが多いようです。
避けたほうがよいとされる品物・贈り方
刃物やハンカチなどは、縁起の観点から贈答を避ける慣習があるとされています。諸説ありますが、迷う場合は避けたほうが無難でしょう。
また、高額すぎる品物は相手に負担を感じさせるだけでなく、先方のコンプライアンス規定に抵触するおそれもあります。官公庁や大企業では贈答品の受け取りを制限している場合があるため、事前の確認をおすすめします。
法人ギフトの経理処理と税務上の注意点

法人ギフトは、贈る相手によって勘定科目や課税の取り扱いが変わります。
勘定科目は贈る相手で変わる:交際費・福利厚生費・広告宣伝費
法人ギフトの勘定科目は、おおむね次のように整理できます。
| 贈る相手 | 勘定科目 | ポイント |
|---|---|---|
| 取引先・顧客 | 接待交際費 | 法人は損金算入に限度が設けられている |
| 従業員 | 福利厚生費 | 全従業員を対象とした一定の基準が前提 |
| 不特定多数 | 広告宣伝費 | 宣伝目的で配布する場合 |
取引先への贈答は、一般的に接待交際費に該当するとされています。
参照:国税庁 タックスアンサー No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
従業員の慶弔に際して一定の基準に従って支給される金品は福利厚生費とされるなど、区分には基準があるため、判断に迷う場合は確認が必要です。
参照:国税庁 タックスアンサー No.5261 交際費等と福利厚生費との区分
勘定科目や仕訳の詳細は、以下の記事で解説しています。
【完全保存版】商品券の勘定科目・仕訳全パターン|消費税の落とし穴まで徹底解説
従業員へのギフトは給与課税に注意

従業員へのギフトは、常に福利厚生費として処理できるわけではありません。特定の従業員のみへの支給や高額な支給は、給与として課税対象と判断される可能性があります。
創業記念品や永年勤続表彰の記念品は、次の要件をすべて満たす場合に給与として課税しなくてもよいとされています。
- 支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること
- 創業記念などの記念品は、処分見込価額による評価額が10,000円以下(消費税等を除く)で、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること
- 永年勤続表彰は、勤続年数がおおむね10年以上の人を対象とし、勤続年数や地位に照らして社会一般的にみて相当な金額以内であること
一方、記念品の支給に代えて現金や商品券などを支給する場合には、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。また、創業記念品や永年勤続表彰の記念品を、カタログギフトなど本人が自由に品物を選べる形で支給する場合も給与課税の対象とされています。
なお、取引先への贈答としてカタログギフトを用いる場合には、この給与課税の論点は生じません。
参照:国税庁 タックスアンサー No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき
商品券・ギフトカードを贈る場合の消費税の考え方
商品券やギフトカードの譲渡は、物品切手等の譲渡として消費税の非課税取引とされています。ただし、購入の形態によっては例外もあるため、処理の際は取引内容の確認が欠かせません。
参照:国税庁 タックスアンサー No.6229 商品券やプリペイドカードなど
消費税区分 の詳細は、以下の記事で解説しています。
商品券の消費税は非課税?購入・使用時の仕訳と会計処理の注意点を徹底解説
※税務・会計の取り扱いは個別の事情により異なるため、実際の処理にあたっては税理士等の専門家にご確認ください。
まとめ|法人ギフトは「相手×目的×経理処理」で選ぶ
法人ギフトの選び方と実務のポイントを整理しました。要点は以下のとおりです。
- 法人ギフトは贈る相手(取引先・従業員・不特定多数)で相場もマナーも経理処理も変わる
- 種類ごとの利点と留意点を踏まえ、相手・目的・予算・配りやすさの4軸で選ぶ
- 発注前に受け取り可否・請求書払い・のし対応などの実務を確認する
- 従業員への支給は給与課税となる場合があり、勘定科目とあわせて確認が必要
なお、税務・会計の取り扱いは個別の事情により異なるため、税理士等の専門家にご確認ください。
法人ギフト・福利厚生にこども商品券をご検討の法人様へ
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