創立記念の記念品はどう選ぶ?相場・税務・マナーと相手別おすすめを解説

会社の創立記念や周年の節目に、記念品の準備を任された。 そんなとき「何を贈れば喜ばれるのか」「予算はいくらが適切か」と迷う総務・人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
さらに記念品には、選び方だけでなく税務上の注意点もあります。 品物によっては、従業員への給与として課税対象になる場合があるためです。
本記事では、創立記念品・周年記念品について以下を解説します。
- 記念品を贈る3つの相手と選び方
- 相手別の予算相場の目安
- 給与として課税されないための要件と、商品券を選ぶ際の注意点
読み終える頃には、「誰に・いくらで・何を贈るか」の判断軸が整理でき、社内で企画を起案しやすくなっているはずです。
創立記念品とは?周年記念品との違いと贈る3つの相手
まず、創立記念品の基本を整理します。 本章では以下の2点を解説します。
- 創立記念品・周年記念品の意味と言葉の使い分け
- 記念品を贈る相手の3タイプ
創立記念品・周年記念品の意味と言葉の使い分け
創立記念品とは、会社や団体が創立の節目を迎えた際に、日頃の感謝を込めて贈る品物のことです。 「創立10周年」「創業50周年」といった周年の節目に贈られるものは「周年記念品」とも呼ばれ、実務上はほぼ同じ意味で使われています。
なお、お祝いの表書きなどでは言葉の使い分けに注意が必要です。一般的に「創立」は組織の立ち上げ、「設立」は法人などの組織を設けること、「創業」は事業の開始を指すとされています。 自社の沿革や社内での慣例に合わせて表記を選ぶとよいでしょう。
贈る相手は3タイプ:社員・取引先・式典の来場者
創立記念品を贈る相手は、大きく3つに分けられます。

相手によって、喜ばれる品物も、後述する税務上の扱いも変わってきます。 「誰に贈るのか」を最初に整理することが、記念品選びの出発点です。
創立記念品の相場|社員・取引先など相手別の目安
記念品の予算は、贈る相手と節目の大きさによって幅があります。 ギフト会社各社の特集などでは、おおむね以下の価格帯が目安として紹介されています。

社員向けの相場:1,000〜3,000円程度を目安に
社員向けの記念品は、1人あたり1,000〜3,000円程度を一つの目安として設定されるケースがあります。 50周年など大きな節目では、通常より予算を高めに設定することもあります。
なお、後述するとおり、社員への記念品は処分見込価額による評価額が1万円以下であることが、給与として課税されないための要件のひとつとされています。 予算設定の際は、この基準を意識しておくと実務上安心です。
取引先・来場者向けの相場と考え方
取引先向けは、関係の深さや式典の規模によって幅があります。 式典で広く配布する手土産であれば1,000〜3,000円程度、特にお世話になっている取引先や来賓には、5,000円程度以上の品を用意するケースもあります。
配布数が多い場合は、単価と総予算のバランスから逆算して決めるのが現実的です。
創立記念品の選び方|相手別に喜ばれるポイントと注意点
本章では、相手別の選び方のポイントを3つ解説します。
- 社員向け:実用性と「選べる楽しさ」を重視
- 取引先向け:名入れは控えめに、品格を重視
- 式典・イベント景品:盛り上がりと持ち帰りやすさ

社員向け:実用性と「選べる楽しさ」を重視
社員向けの記念品は、日常で使える実用品が選ばれやすい傾向にあります。 タンブラーや上質なタオル、グルメギフトなどが代表例です。
注意したいのは、社員の年齢層や家族構成が多様である点です。 特定の層にしか響かない品を選ぶと「もらっても使わない」という声につながりかねません。 幅広い層が使いやすい品を軸に検討するとよいでしょう。
取引先向け:名入れは控えめに、品格を重視
取引先向けの記念品では、自社ロゴを大きく入れた品は相手が使いにくい場合があります。 社名や周年ロゴは小さく控えめに入れるか、のしや添え状で伝えるといった配慮が望ましいでしょう。
のしの表書きは「創立◯周年記念」「◯周年記念」などとするのが一般的です。
式典・イベント景品:盛り上がりと持ち帰りやすさ
創立記念の式典やパーティーで、抽選会・ビンゴ大会の景品として記念品を用意するケースもあります。 この場合は、当選時の盛り上がりと、持ち帰りやすさの両立がポイントです。
かさばる品は目録形式にする、幅広い層が喜べるギフト券類を織り交ぜるなどの工夫が考えられます。 子育て世帯の多い職場であれば、こども商品券のような子ども向けギフト券を景品に加える選択肢もあります。
当日の運搬・保管の段取りを確認します。 事前に会場へ配送できれば、当日の負担を大きく減らせます。
創立記念品の税務|給与課税されない要件と商品券の注意点
創立記念品で担当者が見落としやすいのが、税務上の扱いです。 本章では以下の3点を解説します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 非課税となる要件 | 社員への記念品が課税されない3つの条件 |
| 現金・商品券の扱い | 給与として課税対象になるケース |
| 勘定科目と専門家確認 | 福利厚生費・交際費の考え方 |
社員への記念品が非課税となる3つの要件
会社が創業記念などで社員に記念品を支給する場合、次の要件をいずれも満たすものについては、給与として課税しなくて差し支えないとされています。
- 支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいこと
- 記念品の処分見込価額による評価額が1万円以下であること
- 創業記念のように一定期間ごとに行う行事では、おおむね5年以上の間隔で支給すること
参照:国税庁 タックスアンサー No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき
これは「要件を満たせば必ず非課税にできる」という意味ではなく、社会通念上の妥当性を含めた個別判断となる点に注意が必要です。

現金・商品券・自由に選べる記念品は給与課税に注意
注意したいのは、記念品の代わりに現金や商品券を支給するケースです。 国税庁の質疑応答事例では、創業記念として従業員に支給した商品券は、金銭による支給と異ならないため、給与として課税の対象になるとされています。
また、本人が自由に品物を選択できる場合も、その記念品の価額が給与として課税されるとされており、カタログギフトなどはこれに該当する可能性があります。
参照:国税庁 質疑応答事例「創業50周年を記念して従業員に支給した商品券」
商品券を活用する場合は、社員への一律支給に限らず、式典の抽選会景品や取引先への贈答など、具体的な利用シーンに応じて検討することが考えられます。いずれの場合も、経理処理や課税関係は事前に確認しておくと安心です。
取引先向け・勘定科目の扱いと専門家への確認
勘定科目については、取引先向けの記念品は交際費等に該当する場合があります。一方、社員向けの記念品は、支給の目的や対象、金額などによって取り扱いが異なるため、個別に確認する必要があります。
商品券の経理処理について詳しくは、関連記事「【完全保存版】商品券の勘定科目・仕訳全パターン|消費税の落とし穴まで徹底解説」で解説しています。
なお、個別の事情により取り扱いが異なるため、実際の処理にあたっては税理士等の専門家にご確認ください。
まとめ|創立記念品は「相手×税務」の2軸で選ぶ
創立記念品・周年記念品の要点を整理します。
- 贈る相手は「社員・取引先・式典来場者」の3タイプに分けて考える
- 相場の目安は社員・手土産型で1,000〜3,000円程度、特別な相手には5,000円程度〜
- 社員への記念品は「社会一般的にみて記念品としてふさわしいこと」「処分見込価額1万円以下」「おおむね5年以上の間隔」の要件を満たす場合、給与として課税しなくて差し支えないとされている
- 創業記念品の代わりに現金・商品券を支給する場合は給与課税の対象となるため、注意が必要
税務・会計の取り扱いは個別の事情により異なるため、最終的には税理士等の専門家にご確認ください。
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