永年勤続の記念品はどう選ぶ?勤続年数別の相場・非課税の要件・人気の品物を徹底解説

「永年勤続表彰の記念品選びを任されたが、いくらの品物が妥当なのか分からない」 「記念品に税金がかかると聞いたが、何に注意すればよいのか知りたい」
このような悩みを抱える総務・人事担当者の方は多いのではないでしょうか。 永年勤続の記念品は、相場・税務・マナーの3点を押さえておけば、大きな失敗を避けやすくなります。
本記事では、以下のポイントを徹底解説します。
- のし・渡し方のマナーと、複数人分を手配する際のポイント
- 勤続10年・20年・30年ごとの記念品の相場の目安
- 記念品が給与課税されないための要件と、課税されるケース
- 「非課税重視」か「従業員満足度重視」かで決める記念品の選び方
永年勤続表彰の記念品とは?制度の目的と近年の傾向
はじめに、制度の基本を簡単に整理します。 本章では以下の2点を解説します。
- 記念品の内容は「選べるギフト」へ変化がみられること
- 永年勤続表彰は節目の従業員を労う制度であること
永年勤続表彰は勤続10年・20年など節目の従業員を労う制度
永年勤続表彰とは、長く勤めた従業員の貢献に感謝を伝える社内表彰制度です。 実施の節目は企業ごとに定められますが、産労総合研究所の調査では、10年・20年・30年を節目とする企業が多くみられます。
表彰の内容も企業によりさまざまです。 記念品のみを贈る場合もあれば、賞金(金一封)やリフレッシュ休暇と組み合わせる場合もあります。
なお、やや古いデータですが、産労総合研究所が2006年に実施した調査では、表彰の節目として勤続10年(57.9%)・勤続20年(75.5%)・勤続30年(72.4%)を挙げる企業が多いという結果が示されています。
※あくまで調査当時の傾向であり、現在の実施状況を示すものではありません。
参照:産労総合研究所「永年勤続表彰制度に関する調査」2006年
記念品は「社名入りの品」から「選べるギフト」へ変化している
かつての永年勤続表彰では、社名入りの置物や時計が記念品の定番でした。 前述の2006年の調査でも、当時すでに社名入りの記念品は敬遠され、旅行クーポンや商品券・カタログギフトなど、自分で使い方を選べる賞品が主流になったと報告されています。
現在では、カタログギフトやデジタルギフトなど、選べる形式の記念品の選択肢はさらに広がっています。 また、人材の流動化を背景に、勤続3年・5年といった早い節目から表彰を行う企業もみられます。 前例踏襲の記念品を見直したい場合は、こうした傾向も参考になるでしょう。
永年勤続の記念品の相場|勤続10年・20年・30年の目安
記念品の予算は、勤続年数が長くなるほど高くなる傾向があります。 本章では勤続年数別の相場について解説します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 勤続年数別の相場一覧 | 調査データに基づく平均額の目安 |
| 賞金・休暇と組み合わせる場合 | 記念品の予算を調整する考え方 |
勤続年数別の相場一覧(産労総合研究所の調査より)
産労総合研究所の2006年の調査によると、永年勤続表彰の賞品(記念品)の平均価格は以下のとおりです。
| 勤続年数 | 賞品の平均価格の目安 |
|---|---|
| 勤続5年 | 約1.6万円 |
| 勤続10年 | 約3.6万円 |
| 勤続20年 | 約7.5万円 |
| 勤続30年 | 約13.2万円 |
参照:産労総合研究所「永年勤続表彰制度に関する調査」2006年
調査時点がやや古いため、上記はあくまで参考の目安です。 実際の予算は、企業規模や業界、表彰の間隔、自社の給与水準とのバランスをみて設定するとよいでしょう。
賞金・休暇と組み合わせる場合は記念品の予算を調整する
企業によっては、記念品に加えて賞金やリフレッシュ休暇をセットで支給するケースもあります。 組み合わせて支給する場合は、記念品単体の予算を下げてトータルで調整するのが一般的です。
また、勤続年数ごとの予算ルールをあらかじめ定めておくと、対象者が複数出た場合でも毎年の運用がスムーズになります。
永年勤続の記念品に税金はかかる?非課税の要件と課税されるケース

記念品選びで担当者が最も迷いやすいのが税務の扱いです。 本章では以下の3点を解説します。
- 課税前提で支給する選択肢
- 非課税となる3つの要件
- 課税対象となるケース
給与課税されないための3つの要件
永年勤続者に支給する記念品や旅行・観劇への招待費用は、次の要件をいずれも満たす場合、給与として課税しなくて差し支えないとされています。
- 支給する記念品などの額が、勤続年数や地位に照らして社会通念上相当と認められること
- おおむね10年以上勤続した人を対象としていること
- 同じ人を2回以上表彰する場合は、前回からおおむね5年以上の間隔があいていること
参照:国税庁 タックスアンサー No.2591創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき
「社会通念上相当」の明確な金額基準は示されていません。 そのため、勤続年数に応じた一般的な水準を大きく超えないことが、実務上の判断の目安になります。
また、要件を満たしていても、特定の従業員だけを対象とするような運用では給与として課税されるおそれがあります。 対象者・支給条件を社内規程で定めておくことが大切です。
現金・商品券・カタログギフトは原則として給与課税の対象
注意したいのは、記念品の「形式」によって扱いが変わる点です。 国税庁のタックスアンサーでは、記念品の支給に代えて現金や商品券を支給する場合、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されるとされています。
また、国税庁の質疑応答事例では、本人が一定金額の範囲内で自由に品物を選択できる形式についても、金銭の支給と同様の効果をもたらすものとして、非課税の記念品には該当しないという見解が示されています。 カタログギフトはこの考え方に照らして、原則として給与課税の対象と整理されるのが一般的です。
参照:国税庁 質疑応答事例 自由に選択できる永年勤続者表彰記念品
つまり、非課税の記念品として扱えるのは、原則として会社が品物を特定して贈る現物の記念品や、旅行・観劇への招待などに限られます。 換金性や選択の自由度が高いものほど、給与に近い性質とみなされると理解しておくとよいでしょう。
課税前提で支給する選択肢もある|源泉徴収と社内規程の整備
一方で、「非課税にならないなら商品券やカタログギフトは選べない」というわけではありません。 従業員の満足度を優先し、給与(賞与)として源泉徴収を行ったうえで、商品券などを支給する運用を選ぶ企業もあります。
この場合は、経理部門と連携して以下を整えておくことが大切です。
- 支給額を給与課税の対象として源泉徴収の処理を行うこと
- 社内規程で対象者・勤続年数・支給内容・金額をあらかじめ定めること
- 対象者間で不公平が生じない選定ルールにすること
なお、個別の事情により税務上の取り扱いが異なるため、実際の処理は税理士等の専門家にご確認ください。 商品券に関する経理処理の基本は以下の記事でも解説しています。
【完全保存版】商品券の勘定科目・仕訳全パターン|消費税の落とし穴まで徹底解説
永年勤続の記念品の選び方|非課税重視か従業員満足度重視かで決める

税務の扱いを踏まえると、記念品選びは「何を優先するか」で整理できます。 本章では以下の3つの視点を解説します。
- 受け取る人に合わせる
- 非課税を重視する
- 満足度を重視する
非課税を重視するなら現物の記念品(名入れ品・時計・旅行招待など)
税務上の非課税扱いを重視する場合は、会社が品物を特定して贈る現物の記念品が基本となります。 名入れの時計や万年筆、ガラス工芸品など、節目の記念にふさわしい品が定番です。
また、旅行や観劇への招待も、要件を満たせば非課税となり得る選択肢です。 名前や勤続年数を刻印した品は、換金性が低く記念性が高いため、税務面でも扱いやすい「記念品らしい記念品」といえます。
満足度を重視するなら選べるギフト(商品券・カタログギフトなど)
「せっかくなら本人が使えるものを贈りたい」という場合は、商品券やカタログギフトなどの選べるギフトが候補になります。 使い道の自由度が高く、幅広い年代に受け入れられやすいのが特長です。
ただし、前述のとおりこれらは原則として給与課税の対象となるため、源泉徴収などの処理を前提に検討する必要があります。 子育て世代の従業員が多い職場であれば、家族への労いも込めて、おもちゃや子ども用品などに使えるこども商品券のような選択肢もあります。 贈る相手のライフステージに合わせて検討するとよいでしょう。
受け取る従業員の年代・家族構成に合わせて選ぶ
同じ勤続10年でも、受け取る従業員の年代や家族構成はさまざまです。 単身の従業員には趣味性・実用性の高い品、家族のいる従業員には家族で楽しめる品が喜ばれやすいでしょう。
一方で、対象者ごとに基準を変えすぎると不公平感につながるおそれがあります。 「勤続年数ごとに品物のカテゴリと予算を統一する」など、選定ルールをあらかじめ決めておくことが、長く続けられる制度運用のポイントです。
永年勤続の記念品を贈るときのマナーと運用のポイント
記念品が決まったら、贈り方にも配慮しましょう。 本章では以下の3点を解説します。
- 複数人分を手配する際の実務ポイント
- のしの選び方と表書き
- 渡し方と感謝の言葉の添え方
のしは紅白蝶結び、表書きは「祝勤続◯年」などが一般的

永年勤続の記念品には、慶事用ののし紙をかけるのが一般的です。 水引は「何度あってもよいお祝い事」を意味する紅白の蝶結び(花結び)を選びます。
表書きは「祝勤続10年」「勤続◯年記念」などと記載します。 水引の本数は5本が一般的です。 勤続年数が長い場合や品物の格が高い場合は、より丁寧な7本を選ぶとよいでしょう。
表彰式での渡し方と感謝の言葉を添える工夫
記念品は、朝礼や表彰式など社員の前で授与する形にすると、本人の誇りにつながりやすくなります。 その際、勤続年数だけでなく、本人の具体的な貢献に触れた感謝の言葉を添えると、記念品の価値がいっそう高まります。
賞状やメッセージカードを添えるのも効果的です。 品物そのものに加えて「認められた」という実感が、従業員のモチベーションにつながると考えられます。
複数人分の手配は法人一括購入・請求書払いが便利
対象者が毎年複数名いる企業では、記念品の手配・管理の負担も無視できません。 法人向けの一括購入や請求書払いに対応したサービスを利用すると、発注・経理処理をまとめられ、担当者の負担軽減につながります。
商品券タイプの記念品であれば、金額の調整がしやすく、対象者数の変動にも対応しやすいという実務上の利点もあります。 手配方法を選ぶ際は、納期・のし対応・支払い方法の3点を確認しておくと安心です。
永年勤続表彰以外の社内表彰についても景品選びや課税の考え方を知りたい方は、「社内表彰の景品はどう選ぶ?予算相場と人気カテゴリ・課税の基本を解説」もあわせてご覧ください。
まとめ|永年勤続の記念品は相場と税務を押さえて選ぶ
永年勤続の記念品選びのポイントを整理します。
- 相場の目安は勤続10年で約3.6万円、20年で約7.5万円、30年で約13.2万円(産労総合研究所2006年調査。あくまで参考値)
- 非課税となるのは「社会通念上相当な額」「おおむね10年以上」「前回からおおむね5年以上の間隔」の要件を満たす場合
- 現金・商品券・カタログギフトは原則として給与課税の対象。課税前提で支給する場合は源泉徴収と社内規程の整備が必要
- のしは紅白蝶結び。選定ルールを統一し、不公平感のない運用を心がける
なお、税務上の取り扱いは個別の事情により異なるため、税理士等の専門家にご確認ください。
永年勤続表彰・社内表彰の記念品にこども商品券をご検討の法人様へ
永年勤続表彰や社内表彰の記念品として、こども商品券をご活用いただけます。
子育て世帯の従業員が多い企業では、ご本人だけでなくご家族にも喜ばれる記念品の選択肢の一つです。
なお、商品券を記念品として支給する場合は、給与課税の対象となるケースがあるため、税務上の取り扱いを踏まえた制度設計や運用をご検討ください。
・法人での利用方法について相談したい
・必要数量や金額設定について確認したい
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など、こども商品券の法人利用に関するご相談は、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
